バイクの後輪をパンクさせて修理に持ち込んだ話。

このまえの日曜日に大垂水峠から道志みちを走った。その翌日、エンジンにもタイヤにもひとやすみしてもらったあとで、空気圧をはかった。というのは、このまえの洗車のおりに、かなり空気が減っていることに気付いたため。車検を通して三ヶ月ほど、真夏はなかなか乗ってあげられなくて、百キロも走ったかどうかあやしいのに、空気は抜けていた。はあ、こんなに抜けちゃうものなのか、とはじめて知った。すぐにガソリンスタンドに走らせて空気を補充したのだった。いちにちのロングツーリングのあとでどれくらい空気圧が変動したのかは知ってみたいところだった。

前輪は規定値の 90% くらいになっていた。ふむ。さて後輪と測ると、既定値の 60% まで下がっていた。そんなばかなとおもった。パンクした可能性が頭をよぎって、タイヤを目視で点検したら、ネジが突き刺さっていた。たぶんこれだとおもう。

三ヶ月前の車検でタイヤ交換をしたばかりで、ほとんど最初のランでパンクさせるというのはショックだ。修復で済めばいいけど再交換になったらもっとショックだ。どこで踏んだのかはわからないけど、道志みちの途中で後続車に道をゆずろうとして路肩にすこしはいったときなのかなあとおもう。でもそこから 100km 走って帰ってこれたのが本当かどうかよくわからない。もっと近くでパンクしたにしても、走っているあいだはわからなくて、ガソリンスタンドでもわからなかった。空気圧計で測ってはじめてわかったくらいだから、ネジがうまく蓋をしてくれているのかも。

インターネットで体験談とか読んで、ネジとか釘が道路に落ちてて踏んじゃうのは運が悪いとあることだという話をみた。もっと運が悪いと金属片でタイヤが裂けちゃうみたいなこともあるらしくて、ネジや釘は刺さったままになってればまだ運はいいほうともいえるらしい。

自分で修理キットを取り寄せて処置しようかとも考えたけど、修理キットは出先の応急処置で使うもので、応急処置のあとはバイク屋さんにきちんと診てもらうのが安全というから、最初からバイク屋さんに持っていくことにした。で、直してもらった。直したというかネジをひっこ抜いて補修材をあてて、結局のところ開いた穴はもとどおりにならないから、次回のタイヤ交換までの一時しのぎにはほかならないとはおしえてもらった。

穴に挿した補修材を内側で膨らませて、内側からの気圧で穴をふさぐ仕組みだから、空気圧にはいっそう注意するといい。市販のよりもいい補修材をつかってはいるけど、もうこれで絶対再発しないという保証ではなくて、次のタイヤ交換までの一時しのぎではある。そう教わった。

タイヤの外側で踏んでいるから、直線ではなくてカーブで踏んだに違いないとのこと。ネジを踏むケースはじっさい多いけど、切っ先が真上に落ちてることはめったになくて、寝てるネジをフロントタイヤが踏んで立ち上がったところをリアタイヤが踏み潰しにかかって突き刺さることが多いらしい。運の悪いこともある。

運の悪いこともあるが、空気圧計を自家用にもっておいたのは、転ばぬ先の杖だった。ツーリング後の自家点検ですぐに発見できたのは、われながらよく気を配れているともいえそうだ。ひとりでは直せないことばかりなりに、ひとりで気付けることはいくつもあって、それがいくらか経験の源になったとおもった。このタイヤは怪我をしていて、はやく引退させてあげるのも人情だが、すこしもはたらかないうちに引っ込ませるのも気の毒だから、もっとよく走らせてやる。