なにもないすばらしいいちにちの日記。

とびきり早起きして坐禅を組みにいった。在家のみなさんの修行にまぜてもらった。老師の法話をきいて、墨で一本線を描いて、冷たいお茶を一服、草むしりをした。

母から電話がきていた。ゆうべは映画館、今朝は道場にいて電話にでられなかった。知らない番号から着信が溜まってるのはおばあちゃんだからかけなおしてあげなさいとさとされてかけた。父の噂話をしていたら、父本人が電話口にあらわれた。脱水寸前になってあわててつめたい水を一気に飲んだ。

カルディのセールでコーヒー豆を買うために吉祥寺にいった。注文から仕上がりまで40分待ち。たいへんな仕事にみえた。弟も近くにきていて、母が三人で夕食をと誘ってくれた。カルディでおみやげを買ってもっていった。

昔からいっている町中華をぼくが選んではいった。もともと独特なポリシーをもっているのは知っていたけど、不便な禁止事項が増えていて、ついもとの姿と比べてしまった。でも味は変わらず。はじめて連れてきたふたりはおいしいおいしいと食べていた。実においしかった。それはすばらしいことだった!

弟が、オアシスの再結成コンサートのチケットをとった。会場はウェールズで、とてもおもしろそう。夜、懐かしい音源を流して、ぼんやり口ずさんだ。高校生のころの、いろんなことに迷いのなかったころの気持ちが、唱える歌詞をマントラみたいにしてのっと出現した気がした。もたなくていい責任とあっても意味のない経験ばかり増えてしまった! それでいて、世事をおぼえるより前の野蛮だった心の記憶は残っていて、耳からそれを思いだせることの、ふしぎ!

はじめて人生の過去と未来を意識して、こんなにたのしい現在はないと15年前に気づけたいちどの思い出が、自分のことにして他人事のように、なんだか感動的におもえる。すばらしい日々を自分でつくりだすことができていた自分の影が、いまのぼくになんの意味もなく自信をあたえる。かつてぼくは野蛮だった!