“A Gentle Introduction” と略して呼んでいた Common Lisp の入門書を読んだ。

丁寧な本で “A Gentle Introduction” という看板に嘘はなかった。単方向連結リストの説明をしたあと、しばらく紙にデータ構造を手書きしたり、関数の定義も動かす前に紙に手書きしたりする。そういうエクササイズも含めて、ほとんどスキップせずに読んだ。三ヶ月で読み終わるようにしようと目標をたてて、ちょうど三ヶ月で読み終えた1

第二版を読んだ。初版はオンラインで無料で読むこともできる2。ただし初版は1990年。第二版は2013年だから、よほど倹約しなければならない状況でない限り、第二版を手に入れて読むのがよさそうだ。

方言に由来するボキャブラリを説明に使ってしまわないように注意深く、また歴史的経緯について述べるところでは特別に混乱を回避する言い回しを導入して、迷うことなく進むことができた。すべてをわかりやすく説明しきっているから迷わないというより、「ここまでは基本事項」「ここは応用事項」という線引が明快なのが迷わせづらいスタイルだった。

応用の内容であっても、テキストを読めば練習問題を解くことができるようになっているのがよかった。練習問題の答案がテキストに同梱されているのもよかった。些細なことで戸惑って進めなくなることがいちどもなかった。高品質なテキストだったとおもう。

紹介して入門させるテキストを通り抜けたので、次は実践させるテキストにすすんでみる。次の一歩には “Practical Common Lisp” を使ってみる3。年内に読了すれば御の字だ。