コンサートにいくようになってたまにはジーンズでなくてスーツをちゃんと着て出かけたいとおもうようになった。スーツは大学の入学式のときか就職活動のときに格好だけ整えたやつが夏用と冬用でいちおうクローゼットに眠っていたのだけれど、身体がちいさくなってまったく合わなくなったから去年の秋にまとめて古布回収に出した。そのうち新しいやつを作ろうとおもっていたら、ちょうど友達が結婚式をやることになったから、ここぞとおもって仕立ててもらうことにした。
雑誌でみておぼえていた麻布テーラーが吉祥寺にあって行きやすかったので先月にお店にいってみた。カスタムのやりかたを聞きながら、二時間くらいかけてひとつずつ要素を選択させてもらった。生地の色を選んで基本の形をえらぶ。それからボタンを選ぶ。選ぶといってももともとこだわりがあるというよりはなんとなくいいやつがほしいとおもっているだけのものだから、ナビゲーションしてもらいながらやっと選んだ。グレーの生地で、光のあたりかたによっては緑に光るという布をえらんだ。ビジネスシーンで使うものではなくて、余興で着るものだから遊び心があってもいいだろうと教えてもらって。形はイタリア式の細身で軽薄なもの。軽薄というか、荘重でないもの。