AWS はいまや便利だから使われるというよりも、みんなが使っているから使われるというだけのものになっているようです。
知りたてのころは、むずかしいとおもうのはこちらの勉強が足りないからだと低姿勢に組んでいましたが、知識をつけるにつれて、どう考えても使いづらく耐えられないことはたしかにあるのだとわかってきました。お金をもらって使うのであればまだ許せますが、お金をはらって使うのは苦痛です。
ぼくの個人的な支払いのリストから外そうとしています。アカウントを閉鎖することが目標です。そのためにやることは意外とおおく手間がかかりますが、だんだん片付いてきています。
すべての利用サービスを停止してリソースを削除します。何年も使っているアカウントですから、勉強のために触ったサービスがいまだに動いていて、意味のない料金を支払わされていました。請求書をもとに列挙すると、これだけありました。
- Amplify
- CloudFront
- CloudWatch
- Config
- Data Transfer
- DynamoDB
- Detective
- ECR
- Glue
- GuardDuty
- KMS
- Route 53
- S3
- Secrets Manager
- SNS
- SQS
いやらしいことにアイルランドとフランクフルトから何年にもわたって課金されていることを知ったりもしました。請求書をみてそれをはじめて知ることになります。うかつだったことは認めましょう。しかし不快であったことも隠しません。手数料システムの仕組みがいかに正当であっても、そのやりくちはスパムと呼ぶにこそふさわしい劣悪ぶりです。
その魔法の箱はボタンをぴこぴこ押していけばだれでもインターネットサービスを立ち上げられるように門戸をひらいたといいますし、それがぼくたちの雇用をつくりだしているということもまた真実です。でも、いまやそれは憧れの未来ではなくてぼくたちの足をひっぱる過去の亡霊です。コスト最適化といって月に数万円を削減するならいざしらず、スケールにしてその数千倍の逸話があらわれては不条理の度合いがモンティ・パイソン的です。科学よりも神秘主義に近いものです。
ウィンドウズはハッカーの脳を腐らせるとかつて言われたのとおなじことを AWS に適用しなおしてもいい季節とおもいます。人気があるだけで美学を感じられないものを使うことは、発想を悪くさせます。ウィンドウズが絶滅しないのとおなじように AWS も向こう30年にわたってメインストリームにとどまるでしょう。そのことは覚悟しながら、できるだけ深くはいりこみすぎずにかかわるのがちょうどよいのでしょう。
ぼくはそうすることにします。きょう、ほとんどすべての利用を停止しました。使っていないものはすべて止めました。すでに Route 53 のホストゾーンは Cloudflare に移管できていました。S3 にすこしだけデータの残骸が残っています。いくつかのおおきなファイルを残します。自宅に NAS を設置して保管するのを考えて、それはもうすこし時間をかけて取り組むことにしました。きょうのところは数十ギガバイトのデータのストレージクラスを標準から Glacier Deep Archive に変更しておしまいです。