藝大のモーニング・コンサートを聞きにいった。演目はシュトラウスのオーボエ協奏曲と、シューマンのピアノ協奏曲。

秋晴れの上野公園を歩いた。銀杏のなまなましいにおいがした。ぼんやりといってぼんやりと過ごしてぼんやりと帰ってきた。

オーボエの荒木良太さんは、オーケストラに耳をよく傾けて演奏する様子だった。ピアノの鶴原壮一郎さんは、オーケストラをぐいぐいと引っ張って演奏する様子だった。楽器がそうさせるのか、スコアがそうさせるのか、演者の個性がそうさせるのか。知らないことはさておき、いいものをみたとおもった。穏やかな想像をあたえられた。時間がゆっくり流れていた。