今月の頭にパートナーがアメリカに向かった。先月の中頃に、旅立つまえの国内旅行をしようと北海道を訪れていた。
一週間の旅程の、最後の宿泊地に積丹をおとずれることにしていた。しかしその一日前、富良野から旭川に北上していたとき、宿から着信があった。体調不良者がでたので宿泊はキャンセルしていただきたい、とのことだった。残念ではあったが、押し通す理由もなく受諾した。
銀鱗郭というその宿が、そのキャンセルから一ヶ月経ったいま、お詫びの印といって新鮮なうにを送り届けてくれた。ふたパックもいただいた。さっそくどんぶりにして食べた。やわらかく芳醇であった。 パートナーの携帯電話はすでに不通になっているから、発送の知らせも受け取ることができなかった。それで、無事に到着したということを電話で知らせた。時化がつづいて漁にでられず、発送が遅くなったとかえって詫びられた。しかし、宿泊代もお支払いできていない見知らぬこちらに、このようなこころづけをいただけるというのは、信じがたい良心であった。