七夕のランチに阿佐ヶ谷のおさかな食堂にいった。
仕事とはいっさいの関係のない友だちと、晴れた平日の昼にのんびりと定食を食べること。街のご老人たちがひっきりなしに出入りしておのおの好みの定食をあっさりと食べていること。開店直後から繁盛してがやがやと人気が絶えず、それでいて騒々しくないこと。かつおのたたき。さんまのぬか漬け。
ひとりで自分の部屋にいて仕事をして、腹が減ってもひとりで自分の食事を作って食う、というルーチンで3年ばかりを過ごした。さみしいことだなとおもう。それはコロナウイルスが運んできた戒律とリモートワークの代償であって、20代後半の人生にあいた穴のようにみえる。
とはいえ、それに損失を感じて悲しいというよりも、もういちどいきいきとやりなおすことができるという喜ばしい高揚がある。おなじあほうならば踊らねば損、というのは的を射ているなとおもう。