3月11日、母に誘われてスティングの日本ツアーの公演を観に行った。
昼過ぎに丸の内の広場で落ち合った。グランスタの軽食店でスパゲティを食べた。東京ステーションギャラリーで佐伯祐三の展示をみたあと、有楽町からバスに乗って有明に向かった。会場は東京オリンピックのために建った新しいアリーナだった。三階席の正面の最前列に並んで、80年代までのアートロックが SE で流れるのを聴いた。
19時の開演で、まずはジョー・サムナーの30分ほどのセットで会場が温められた。小休憩をはさんで照明が落ちると、ノースリーブシャツを着たスティングがエレキベースをカジュアルにひっかけてステージにあがり、リラックスした気分で Message In A Bottle を弾き始めた。そこから90分のステージは、ティーンエイジのころに聴き慣れたおもいで深い曲が次から次に繰り出されて、あっというまに過ぎた。高音を抑制するような歌い始めをして、声の質が変わってしまったのかとみていたら、盛り上げどころできちんと原音を出し切って衰えを感じさせないところもあった。
終演後の出口は混乱状態に近かった。新しい会場で運営プロトコルも未成熟であるのかもしれない。若い聴衆ばかりでないときに、容易でないようにもおもわれた。豊洲駅方面になんとか脱出して、配車アプリでタクシーをつかまえて八重洲に戻った。歌舞伎座があるよと母にみせたりした。