東大新聞に学生起業の記事が出ていた。タイトルは文中からの引用。
https://www.todaishimbun.org/startup_20230123/
広い世界では、ウェブサービスの “技術” などはほとんど数えなくてもよいものだという態度がおかれていることがよい。これはある種類のひとびとの気を悪くさせる潜在力もあるだろうが、それが間違っていないことはぼく自身がもっともよく証明している。その、いまぼくが持っているものには価値がないとあけすけに断定するやりかたがすっきりしているとおもって読んだ。
他方で、 “専門的な” 技術というものを、売れ、売れ、おれに売れ! そしておれに売らせろ! といわんばかりに、スタートアップの “支援” に気炎をあげるひとはいったいどういう種類のひとびとであるのか。ある技術がどれだけ先端的であるのかは、商売の言葉に翻訳しなければ計量不可能であるのか。専門技術というものを、それこそ浅くみているのではないか。まあ、研究者の目を持たない限り、浅くしかみえないということは仕方がないのかもしれない。
あるべき条件は、どうやって起業を支援するかというものではなく、どうやって研究環境を充実させるかということでないか。それをさしおいて、未来ある研究者たちのまわりを騒音でとりかこむような仕草は、どうかとおもう。専門的でないが金にはなる商売ごとは大人たちにまかせておいて、勉強するべきひとたちが熱心に、そして迷いなく勉強できるようにすること。それこそが理想のありかたなのでないかな。