ジョーダン・ピール監督の評判高いデビュー作を観た。2017年の作品。

ホラー映画と聞くのでおそるおそる観はじめたのだけれど、あんがい恐怖とは遠い印象が続いた。しかし得体の知れない違和感、いやらしさ、居心地の悪さはたたみかけられる。

年嵩のひとびとのあいだに若者がいること。身なりのいいひとびとのあいだに元気のいい青年がいること。なにより白人たちのあいだに有色人種がたったひとりいること。ただでさえ緊張感はあるうえ、言葉尻ににじみでるわずかな狂気のかけらが、こちらの気分をじわりとなめるように刺激する。

積もり積もった不快感の正体があきらかになるとき、絶望がしたたかに与えられる。深い絶望はしかし長く持続はせずに、攻守逆転のカタルシスに転がり込む。誰が勝ち残るのか、どちらに転んでもおかしくないようにみえて、最後には愉快な決着がつく。不愉快な後味はもたずにエンドロールを迎えて、好ましい映画だとおもった。