もともと選科履修生という1年間だけ在学が許されるコースにいて、はじめの計画ではこれを2年間こなして聞きたい講義を聞ききる、というつもりだった。いまがその継続のタイミングにあたり、オンラインで科目選択をして学費を納入するだけという手続きをするところで、いまいち魅力的な講義が見当たらなくなってしまっていることに気がついた。
微分方程式、自然言語処理、コンピューターグラフィクスあたりをもともと希望科目としてバケットリストにいれていた。興味そのものを失ってはいないものの、それらがどうしてもいま手に入れたい知識ではなくなっていることに気づいてしまった。切実さを欠いたままで、10月から年明けまでの3.5ヶ月をふたたび予習復習の洪水のなかで暮らすことはできないとおもった。
興味のあることは多くあるけれど、そのうちどれにじっくりと取り組んでみたいかが定まっていない。そういうときに、とりあえず視野を狭めて深さを探求するよりも、視野をひろくもって柔らかく待ち構えたい。そんな気分でいる。よくもわるくも、世俗の地位向上とは離れたところの興味にしたがって好奇心を満たすことのできる環境を確保できているのだから、気長な独学者として過ごしてみることにする。必要があるのであれば、ふただびやる気になったときに復学すればいいまでの話である。それが許される制度にまたがって自由に選択できることはありがたくおもう。