解析入門の講義は第14講のローラン級数にはいろうというところ。ラジオ講義の解説は数式を口頭で読み上げるという前近代的な仕上がりになっている。コーシーの積分定理の証明の途中式をだらだらと詠唱しているさまを想像してほしい。不便を超えて悪質の域に入っている。
テキストを真っ黒にしてこれまで食らいついてきたところ、いざゴールがみえるとかえって余裕が出てバカバカしくなってきた。講義に期待することは止めて、インターネットで予習をしてしまおうと何気なくみると、うってつけのシリーズがあった。それがこれ。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLDJfzGjtVLHl8CVEMGJ5DPN9w0jZen8dq
これで指数関数の定義からローラン展開に至るまでの議論の流れをまとめて、予習という目的を超えて復習も果たすことができた。留数定理の講義が予告されていたが、最後のビデオから2ヶ月が経ってまだ制作されていない。もっとも、残念という以上に、ここまで解説してもらってありがたい。
大学と動画サイトの対比という以前に、ラジオとビデオというメディアの対比を味わう羽目になっている。しかしまあ、ラジオというのは昭和を飛び越えて大正のメディアであるわけで、苦笑さえできない。数式とは本質的に文字記号であり、音声では代替不能であるということに、信念を持つひとはいなかったのだろうか。どうしてこれをラジオ講義として編集しようと思ったのだろう。