放送大学の「データベース(‘17)」の講義を完走した。週に一課を一定のペースで進めるのではなく、気が向いた時間に数回分の講義をまとめて視聴するやり方で通した

データベースという言葉の語源が、50年代に米軍が持っていた情報集約基地のことをズバリ指して呼んでいたというのが面白かった。スプートニク・ショックに浮足立った米国が、その情報基地への核攻撃によりあらゆる情報を失うというシナリオを回避するためにデータの分散化・ネットワーク化に舵を切ったというこぼれ話が興味深い。知ったところで、トリビアルな歴史を学んだという以上に有益な知識とはおもわれないが、大学の講義というのは得てしてこのような余談こそがもっとも印象に残る。

とはいえ、前半のデータベースの歴史を概観するパートは、知識をいっさい持ち合わせなかった。慣れがないという意味では序盤が最難関でさえあった。中間試験ではそこあたりまでが試験範囲だったので、すこし危ういところさえあった。

後半の、リレーショナル代数から先、正規化、データ構造、トランザクションなどを詳解するに至っては、およそ持てる知識の復習というくらいの感覚で楽しく聞き流すことができた。加えて最後の数課では、グラフデータベースと分散システムを扱う。これもおもしろくはあったものの、 DDIA で読んだ知識がシラバスの範囲を十分カバーしていた。そう見立てると、かえってあちらのテキストの充実ぶりがあらためてうかがえて、名著であるとの確信が改まる。

データベースに関して、基礎的な、しかしある程度は包括的な知識を集中的に身につけるために、すぐれたカリキュラムであったとおもう。これくらいまでが大学で学ぶこと、というベンチマークにもなる。必ずしもアカデミズムに傾くのではなく、あくまで実用論に立脚しているというのも興味深い。ソラマチの CTO が出演して、 “現場での” データストアの技術選定というようなことを語っているのも印象的であった。