マセマの線形代数を終わらせたので、次にやろうとおもっていた参考書を準備した。裳華房の『手を動かして学ぶ 線形代数』である。

8つからなる章立てはいずれも既習の範囲になる。行列の定義からはじまり、対称行列の対角化にいたる。各章は3つの小見出しに分けられていて、24節からなる。大学の通年講義では、前期に12節、後期に12節をあつかう想定を持っていると序文にある。とはいえこちらは入門者というより復習と足場固めを目的としているわけだから、ぐいぐいと進みたい。マセマのテキストでそうやったように、いちど簡単に通読したうえで、じっくりと演習に向き合うやりかたで取り組んでみたい。

「手を動かして学ぶ」のシリーズは、線形代数に限らず微積や集合位相論のテキストも出版されている。著者の評判のあらわれなのだろう。裳華房という出版社は初めて認知した。おそらく初めて購入したとおもう。オールドスクールな出で立ちの会社ホームページによると、江戸から続く立派な出版社のようである。いまでは自然科学分野の参考書に特化しているというから、老舗のたくましさを感じる。

会社の制度により、経費として精算させてもらう区分で購入した。自分で読むための本を手に入れるために申請を出すというのは、大学図書館に蔵書リクエストをしたとき以来で、すこし落ち着かなかった。行列アルゴリズムの学習のためと述べて承認をもらった。

半年前にはなにも知らなかったことをおもうと、いいペースで進んでこられているとおもう。あと一ヶ月弱で次の学期の講義がはじまる。